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ロア:〜:空

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【非日常の住人】93/20-14
 「倉庫って?」
 「とぼけないでくださいまし。此処へ来る途中で立入禁止になっていると云う事は赤石からも伝達された筈です。
 聞いていないとおっしゃるのなら、それは赤石の伝達不足ですから、御馳走は赤石の男体盛り等いかがかしら?」
 「そんな殺生な。赤石さんが可哀想ですよ」
 「蝶子はそういうの好きだった筈なのです」
 「違いますよ!私が好きなのは叔父様の様にしなやかに熟した肉体よりも宮司さんの様に若い肉体なんです!」
 「蝶子さん?かなりのカミングアウトですわよ?それはつまり、宮司さんをお好きですの…?」
 「ちょちょっと!何でそうなるのよ!例えですよ例え!」
 「動揺する所が怪しいのです」
 「もー!チイまで!」
 「その当の本人である宮司さんはどちらへ?まさかとは思いますが、倉庫へはおいでじゃありませんわよね?」
 「一つ聞いても良い?」
 「何ですの?」
 「その、行ったらダメって云ってるその倉庫には何があるの?」
 「蝶子さんには、…いえ、皆様には関係ございません事よ」
 「教えてくれない理由でもあるんですか?」
 「教えて差し上げたなら貴方がどうにかして頂ける、と云う事でもございませんでしょう?昔話はあまり好きではありませんので。赤石さん、頼みますわ」
 「かしこまりました」
 少々の沈黙に皆が黙る。少しだけうつむく赤石は語る事をまとめていたのか口を開いた。
 「まだ瞳お嬢様が幼少の頃です。少女趣味が過ぎると云われても否定しようのない程可愛らしかったお嬢様は」
 「赤石さん?来月二割減給致しますわね?(笑)」
 「殺生な、もとい申し訳ございません。続けますね。
お嬢様は幼少の頃お体が弱く、あまり外へは出られませんでした。
故に、時折邸内の散策を一時の楽しみとされておられました。
ある時、いつもの様に邸内を散策されておられましたら、第五倉庫から気配がするとおっしゃられたのです。
第五倉庫は他の倉庫と違い、資材置場と云うよりも物置の様な扱いでしたから、普段は誰も立入らないのです。
そんな所に気配など、と思い念の為中を確認したのです。
そこには、お嬢様と同じ年頃でしょうか、男の子が散乱している物の中で一人遊んでおいででした。
どうやって入ったのかと訊ねると丁度子供が屈めば通れる穴が開いていたらしく、そこから入って来たと云うのです。
子供ですからあまりどこで遊んでも危険を感じなかった様です。
その後からですね。お嬢様はよく第五倉庫へ足を運ばれる様になりました」
 「昔は物置だったんですか」
 「本来は倉庫なのですが、頻繁には使用しない物を詰込んでいきましたら結果として物置になってしまっておりました」
 「よくある事ですね。後で片付けが大変なんですよね」
 「蝶子の部屋は普通よりも物に溢れてるですからね」
 「想像は難しくない様ですね。
お解りでしょうが、その様な状況では何か潜んでいても解らないんですよね。
おや、瞳お嬢様どちらへ?」


非日常の住人 | 2008/07/05(土) 00:00 | Trackback:(0) | Comments:(0)
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